Air
シルクのような風が すっと 吹いた。
人はいない。
いつもそこに
いのちの行き来がある。
生きることについて。
つまりその、
コクがある人
さっぱりとしているもの
豊潤な香りのする せなか
常に五感は上向きに。
喉の裏
あごの上
右下の隙間
のど、奥の秘密基地
たくさんの道しるべによって焦点の極みを見る。
「あ、そこそこ、それそれ、え、どれどれ、あ、これこれ?」
ばあちゃま、そこじゃ分からんよ。
「これをあっこに持ってくんだわ」っていわれても、あっこってどこ。
そんな感じで引っ越して2年、
まであと二ヶ月(と、22日、だったりして)
風は吹く。
鳥のさえずるところ
あのギターにも届く、昼さがり。
生まれた街で 松任谷由実